Japanese Bible

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マタイによる福音書 18

Colloquial Japanese Bible Kougo-Yaku (1954-55)

マタイによる福音書 18


その時,弟子たちがイエスのもとに来て,「天の王国では,いったいだれが一番偉いのですか」と言った。 
イエスは幼子を自分のところに呼び寄せ,彼らの真ん中に座らせて 
言った,「本当にはっきりとあなた方に告げる。立ち返って幼子たちのようにならなければ,あなた方は決して天の王国に入ることはないだろう。 
だから,この幼子のように自分を低くする者,その者が天の王国で一番偉いのだ。 
わたしの名のゆえにこのような幼子の一人を受け入れる者は,わたしを受け入れるのだ。 
だが,わたしを信じるこれら小さな者たちの一人をつまずかせる者は,首に大きな臼《うす》石をかけられて海の深みに沈められる方が,その者にとっては良いだろう。 
「数々のつまずきのもとのゆえに,この世は災いだ!?つまずきのもとは必ずやって来るが,自分を通してつまずきのもとがやって来るその人は災いだ!? 
もしあなたの片手か片足があなたをつまずかせるなら,それを切り取って捨てなさい。両手や両足をつけて永遠の火に投げ込まれるよりは,不具または足の不自由なまま命に入る方が,あなたにとっては良いのだ。 
もしあなたの片目があなたをつまずかせるなら,それをえぐり出して捨てなさい。両目をつけてゲヘナ{または,地獄}の火に投げ込まれるよりは,片目で命に入る方が,あなたにとっては良いのだ。 
10 あなた方は,これら小さな者たちの一人をさげすんだりしないように気をつけなさい。あなた方に告げるが,彼らのためのみ使いたちは,天におられるわたしの父のみ顔を,天でいつも見ているのだ。 
11 人の子は失われたものを救うために来たからだ。 
12 「あなた方はどう思うか。ある人に百匹の羊がいて,そのうちの一匹が迷い出たなら,その人は九十九匹を残して山に行き,迷い出ているものを探さないだろうか。 
13 もしそれを見つけたなら,本当にはっきりとあなた方に告げるが,迷い出なかった九十九匹のこと以上に,その一匹のことを喜ぶのだ。 
14 このように,これら小さな者たちの一人が滅びることは,天におられるわたしの父のご意志ではない。 
15 「あなたの兄弟があなたに対して罪を犯したなら,行って,あなたと彼だけの間でその過ちを示しなさい。彼があなたに聞き従うなら,あなたは自分の兄弟を取り戻したのだ。 
16 だが,聞き従わないなら,あなたと共にもう一人か二人を連れて行きなさい。二人か三人の証人の口によって,すべての言葉が確証されるようにするためだ。 
17 もし彼が彼らに聞き従うことを拒むなら,集会に告げなさい。もし彼が集会に聞き従うことも拒むなら,彼をあなたにとって異邦人や徴税人のようにならせなさい。 
18 本当にはっきりとあなた方に告げる。あなた方が地上で縛るものは天でも縛られ,あなた方が地上で解くものは天でも解かれるだろう。 
19 重ねて,本当にはっきりとあなた方に告げる。あなた方のうちの二人が,自分たちの願い求める事柄に関して地上で一致するなら,それは天におられるわたしの父によって実現するのだ。 
20 二人か三人がわたしの名において共に集まっているところでは,わたしが彼らの中にいるからだ」。 
21 その時,ペトロが近寄って来てイエスに言った,「主よ,兄弟がわたしに対して罪を犯した場合,彼を何度まで許すべきでしょうか。七回までですか」。 
22 イエスは彼に言った,「わたしはあなたに七回までとは言わない。七十七回までだ。 
23 だから,天の王国は,自分の召使いたちと貸し借りを精算しようとした一人の王のようだ。 
24 精算を始めると,一万タレント{1万タレントは非常に大きな金額を表わしている。1デナリオスが農業労働者の典型的な1日分の賃金であるのに対し,およそ60,000,000デナリに相当する。}の借金がある者が王のもとに連れて来られた。 
25 だが,返済できなかったので,主人は彼に,妻や子供たちやすべての持ち物を売って支払いをするように命じた。 
26 そのため,この召使いはひれ伏し,主人の前にひざまずいて,『ご主人様,わたしのことをご辛抱ください。すべてをお返ししますから!』と言った。 
27 その召使いの主人は,哀れみに動かされて,彼を解放し,その負債を帳消しにしてやった。 
28 「ところが,その召使いは出て行って,自分に百デナリ{100デナリは1タレントの約60分の1。}の借金がある仲間の召使いたちの一人を見つけると,捕まえて首を絞め,『借りているものを返せ!』と言った。 
29 「それで,仲間の召使いは彼の足もとにひれ伏し,彼に懇願して,『わたしのことを辛抱してください。返しますから!』と言った。 
30 彼はそうしようとせず,行って,その者が借金を返すまで,その者をろうやに投げ入れた。 
31 そこで,起きたことを見た時,仲間の召使いたちは深く悲しみ,行って,起きたことをみな彼らの主人に告げた。 
32 すると主人は彼を呼び出して,彼に言った,『悪い召使いだ!?わたしはお前が懇願したから,負債をみな帳消しにしてやったのだ。 
33 わたしがお前をあわれんだように,お前も仲間の召使いをあわれんでやるべきではなかったか』。 
34 主人は腹を立て,彼が借金をすべて返すまで,彼をろうやの役人に引き渡した。 
35 もしあなた方がそれぞれ自分の兄弟の罪過を心から許さないなら,わたしの天の父もあなた方に対して同じように行なわれるだろう」。